先日は落款のことを書きましたが、今日は『朱肉』のお話。
朱肉も突き詰めて行くと本物を手にしたくなってきます。化学インクでも事足りるけれど、本物といえば顔料と膠などを混ぜて作った練り朱肉に尽きます。
この朱肉たちは銀座コマツ内の『和の扉』というお店で見つけました。
色が様々用意されており、黄色や茶色なんていう珍しい色まであり、『瑞祥』『鳳凰』『猩々』『金華』『陽華』『黄華』と、それぞれ和名が付いています。
ねちゃねちゃと柔らかくネットリとしているので、押し付けずにチョンチョンと小刻みに軽く付けるだけで十分朱肉が乗ります。
こってりとした質感は、和紙の凹凸によく馴染みます。
和文具の長所は、『本物』が意外と生活の近くにあること。この、本物、というのは日本の自然と文化の中で培われて来た本物、という意味。道具の良さは何百、何千と見ないと分かって来ないものです。せっかく日本には良い道具が数多あるのだから、目の肥やし甲斐があるというものです。
これでお気に入りの落款をポンと押せば、二割増しならぬ、三割増し、かな。
