先週4月3日から8日まで新宿OZONEにて日本とフィンランドを繋ぐ小さな展覧会にフィンランド人の友人に誘われました。フィンランドのヘルシンキ芸術大学に留学していた経験を持つ15人のデザイナーが出ると聞いて興味が沸き、オープニングパーティーに行って参りました。
15Horizons?New Japanese design from Finland展
http://www.ozone.co.jp/event_seminar/event/detail/520.html
ヘルシンキ芸術大学の学生の、なんと、20%が留学生。そのうち、日本人の割合も存在感も大変大きいそうで(毎年日本人留学生が平均15人も入学するそう)、それが今回の展覧会に繋がったようです。ヘルシンキのインターナショナル化はどんどん進んでいますね(フィンランドは学費が全て国費なので外貨が欲しいのもありますが)。もともと人口500万人しかいない小国なので優秀な人材を外国から輸入し続けることが必要です。今、日本人の友人がノキアのデザインチームで働いていますが、マネージャー以外は全員外国人だそうです。
どれも実に丁寧に作られていて、温もりのある木の素材が使われていたり、優しいナチュラルな色合いは北欧で学んだことを根強く感じます。
そのうち気になった物を何点か。
いきなりですが・・・
マンガです。イラストレーター坪井ねね氏。ヘルシンキに居を移した彼女は、すでにちょっとした有名人らしいです。これは日本の漫画を紹介したマンガ、です。可愛いのに、ちょっと毒のある、お子様には見せられないページもある!?内容です。シャイだけど悪ふざけが大好きなフィンランド人なら夢中になるでしょう。
絵画をプリントした壷。
形は先史時代の土器で、柄はフィンランド国立博物館所蔵の17世紀の絵画です。何千年年もの隔たりのある『モノ』を融合させた80年生まれの蔵原智子氏の軽やかさに新鮮味を感じました。プリントの精度に技術的な問題がありましたが、そのレプリカっぽさも折り込み済みでしょうか。
中には、アラビア社から製品化された物もあり、日本人学生のレベルの高さが窺えました。ここに並んでいなくても、今、日本や世界で活躍されているデザイナーは沢山いることでしょう。この2つの国の相性は、本当に良いと思います。大自然の中で、酸素いっぱいの空気を吸って生み出した日本とフィンランドの融合を見ることができました。
魅力的なこちらのお二人
右は今回誘ってくれた友人のAnni。artekアルテック社にお勤めです。来週のミラノ・サローネにも出張するそうで、再会を誓いました。左は代官山の家具屋Collexコレックスのバイヤー、嶋田葉子さんです。国内外の、ちょっと北欧テイストの家具や食器、雑貨を販売していましたが、この度、オリジナル家具を出されるそうです。「家具や物を売る中で、どういったニーズがあるのかが見えてきました。」と、控えめながら自信のある発言。日本人は要求がとても細かいし、輸入家具がそのまま持ち込める環境(部屋の狭さや体格など)にありません。そんなお客様とのやり取りで培われた販売の現場の声が直でデザインに生かすことができるのは強みですよね。