2015-10-20

中古マンション選びのポイント

数年前に、フェイスブックで不定期につぶやいていた『中古マンション選びのポイント』です。
最近も友人からリクエストがあったので、こちらのブログでまとめて(というか、ほぼそのまま・・・)転記致します。

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友人に中古マンション探しや土地探しを相談されることがままあります。その時によく聞かれることを基に、気まぐれ不定期につぶやこうと思います。
まず、中古マンションならいつ建てられた物がいい?ということですが、少なくとも1981年に制定された新耐震基準で設計された建物でしょう。阪神大震災でも、それ以降の建物には大きな被害は出ませんでした。念には念をならば、阪神以降の2000年に、地耐力に応じた基礎についても建築基準法で特定されました。
しかし81年以降といっても、築30年・・・。鉄筋コンクリート造の建築の不動産価値をざっと50年とすると、あと20年。都内には80年代後半に建てられたヴィンテージ・マンションがたくさんあるけれど、そこらへんがお買い得かどうか悩むところですよね。
次回〜。

つぶやきその2/中古マンション編『修繕積立金』
まず、積立金が安いと日々の家計は助かりますが、なにか修繕があった時に足りなかった場合は供出を強いられます。中古を買う時は、現在いくら貯まっているのか確認しましょう。管理費高いのに積立金はチョビッとなんてバランスが悪いこともあります。
そして、そのマンションの長期修繕計画を管理組合から取り寄せて下さい。計画はだいたい50年ぐらいのうち、どの時期にどんな修繕を、幾らでやるのか細かに書かれています。もしかしたら売るために積立金の設定を下げ、もはや足りなくなっているかも!
もうマンションを持っていらっしゃる方々も、長期修繕計画、把握されていますか??
また次回。

つぶやきその3
長期修繕計画を読み込むと、だいたい、築25年前後が設備機器の大きな転換期になることが分かります。この辺りに大規模修繕が行われます。大きいところで、一機で一千万になるエレベーターの交換もあります。
そのため、25年になる手前で買ったらいきなり大規模修繕が始まって不利なことがあるとも限らないし、それでは修繕が一通り終わった築30年以上のものとなるとそんなに長く住めるとも限らない(ただし、安い)。中古マンションならば、25年を一つの目安です。
まあ、だったら築浅の新しいマンション買う方がいいの?ええ、まあ、資金があればそれでもいいと思いますが、やっぱり条件次第だと思います。せっかく高くても新築マンション買ったのに、目の前にビルが建った!とかね・・・。
次回は私が考える中古マンションの選び方です。

久々につらつら。中古マンションの配管編。
だいぶ前に、長期修繕費用について、修繕の負担が重くなってくるのがだいたい25年が目安と書きました。さて、マンションはたいてい(鉄骨)鉄筋コンクリート造です。しっかり作っていれば50年以上十分持ちます。かたや配管の耐用年数はそれに較べて短いです。しかも数十年前のマンションは金属管を使っていることが多く、さびや腐食だけでなく、汚れや石灰の詰まりが今のビニル管に較べて問題が多いのです。しかも、昔はメンテの意識が低かったので、配管し直すことも不可能な作りが多く、そうなるとどうしようもありません。築25年ぐらいでも配管が悲惨な状態もあり得ます。
というわけで中古マンションの購入(賃貸)の際は、水の出や流れをチェックすることをお勧めします。お風呂いっぱいにためて、一気にどれぐらいの時間で空になるか試すといいですね。また、配管が『さや管方式』(今の主流)かどうかや、配管をコンクリートに打ち込んじゃって交換不可能でないか(ちゃんと配管スペースを取っていればOK)、見ておいた方が後々のリフォーム時もやりやすさが違います。
*年に一回、配管洗浄しているマンションならよりいいですね。ついでにもう一つ、前々から書きたかった土地編。
土地の値段は何で決まるか。立地?利便性?ネームバリュー?用途地域?色々あるとは思いますが、実は、まず見て頂きたいのは『前面道路』なんです。まず、法で定められている道路とは4m以上の道路を指します。4m未満の道路は『見なし道路』(新築の場合は4m道路に拡幅するために土地を提供せねばなりません)です。高級住宅街でも、そこだけ路地のように細い道だったり行き止まりだったり私道であったらば土地としての価値は弱いです(麻布などでよく見かけますね)。逆に言えば、前面道路が広く、ちゃんと区画されていることはそれだけでもステータスです。いわばそれは、幹線道路からスムーズに大きな高級車が悠々と駐車できる・・・ということでもあります。
加えて、工事サイドから言うと細くて入りにくい土地は工事費がかさみます。大型の工事車両が入れなかったり、資材も小さな車両に積み替えて往復しなくては行けなかったり、それでも厳しい場合は人が手運びしなければなりません。
ただしもちろんそれを知った上で、道路に難ありで安く上手に買えた!というのもありだと思います。
というわけで、職業柄、家を見るとついつい前面道路で算盤はじいてしまうのでした(汗)。

昨日の土地の値段は、あくまで不動産業者の値付けのお話です。建築家が魅力を感じる土地はまた別のお話。建築家は、ちょっと難のある土地でこそ能力を発揮するからです。変形だったり、急斜面だったり、北向きだったり、ハウスメーカーではフォローできない土地をどうやって一発逆転させるかに、皆、ワクワクするのです。
さて、友人から『こんな土地なんだけど、どう思う?』と聞かれた時のアドバイス。地盤調査の記録があるといいですね。分譲ならば、となりの区画などで調査した結果を持っていないかどうかや、古い地図からそこが沼だったりしたかどうかなど調べられます。崖を背負っていたりすると、盛り土や客土部分があったりする可能性があります。水道が自分の敷地内に引かれているかどうかもチェックポイントです。前面道路から引かれていない場合、数十万〜の出費です。数十万ならば致し方なくても、遠くから何十mも引かなくてはならなくなると半端ではない工事費になります・・・。境界杭を確認しておきましょう。近隣が古い家で、境界が『塀』や『よう壁』だったりすると、その塀が動いたら境界も動きます。改めて近隣との境界確認が必要になりますが、購入後に揉めるなんてことにはなりたくないですよね。
土地にまつわるあれこれは、その数だけ事例があるとは思いますが、建築士同士でも情報をシェアできたらいいのにと切実に思います!