2012-12-30

油団(ゆとん)

我が家の油団(ゆとん)を、炒った米糠で乾拭き中。
ガーゼから塩梅よく油がしみ出しほんのりと艶を与えてくれています。そんな先人の知恵にも驚きです。




油団というのは、油をしみ込ませた和紙を何枚も貼り重ね合わせた和風ラグのことです。


つやっとさらっと、皮のような風合いがあります。制作に非常に時間と手間がかかり高価なため、料亭やお屋敷で珍重されていました。今は絶滅的な日本の手技の一つで、作っているところも福井にある一軒のみです。

なぜそんな分不相応なものがうちにあるかというと、福井で地場産業関係の仕事をする母がその素晴らしさに触れて作ったのですが・・・置く予定のリビングにはそぐわなく(和室もあるのですが、大きさ合わず)、倉庫に数年眠っていたものを捨てるようなことを言うのでそれではと引き取りました。ほんと、職人さんには申し訳ないほど傷めてしまっているので、お詫び程度に手入れだけはちゃんとしておこうと。

数十年経つと下の写真のような飴色になります。いつかはちゃんと補修もしたいのですが、それまで職人さんが残っているかどうかが気がかりです。



<福井の紙問屋:杉原商店さんのHPより>