2007-11-18

女の園。サロン系料理教室の実態

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ここ数年、都心の女性の間ですっかり定着したのが”サロン系料理教室”です。
なぜサロン系と付くかといえば、自宅で開催されて少人数であること、そして
その住まいが、都心のタワー系マンションだったり、建築家によって細部まで
設計された住宅だったり、女性らしく花に囲まれていたりとまるでサロンのように
優雅な空間であるからです。
美しく演出されたテーブルセッティングや、インテリア、セレブな生活を色々と
覗けて、気分はもう『家政婦は見た』状態です。
家で再現させるかはともかくとして、テーブルクロスや造花、花器や食器の入手先
や取扱店もその場で聞けるのが助かります。
先生と全く同じ食器一式全てお買い上げするセレブ・マダムは実際に多くいます(!)。

2枚目の写真の先生は若い感性を生かした華やかなセッティングがお得意です。
”斬新なテーブルクロスだわ。どこのだろう?”と思っていると、「ハンズの素材
売り場よ~~」なんていうことが多く、決して出来合いの高価な物を使っている
わけではありません。
アイディアしだいなのですね。


ジャンルは、下拵えも簡単で食材も手に入りやすくCPの高いイタリアンの料理教室が
多いのですが、
フレンチや和食も人気です(意外と和食が少ないのが、私たちの悩みです)。
だいたい、料理の実習が1,2時間。前菜、お椀かスープ、メイン、デザートと、
4,5品は作ります。そして、そのあとにお楽しみの試食会です。
ワインや日本酒を頂きながら会話を楽しみ、美味しい料理をコースで堪能します
(試食と言っても、メインはこっちかも)。


実習で教わるのはレシピだけではありません。先生が普段使いする料理器具も
大事です。
例えば、いまや家庭でも珍しくはなくなってきたハンディ・フードプロセッサー
ですが、数社から販売されているので、どれを買うかはなかなか迷います。
そんな時、『バーミックス社とブラウン社とどちらが使い勝手がよいか?』と
いったことが、生徒も交えて熱く語られ、購買時の参考になります。


ある時は先生が四角い「せいろ」を使っていて生徒全員がその場で注文して
いたことも。
中華ならば円形が便利でしょうが、和食で魚の切り身を蒸すときや、松風風
にしたい時など四角く切りやすく、断然向いています。
一時は三越などで取り扱いがあったようですが・・・復活を熱望しています。


また、使ったことも見たことも無い道具をたくさん教えてもらいました。
『鬼おろし』やNYで人気の『マイクロプレーンのおろし金』、ちょうど流行り
だした頃の『ご飯用土鍋』、『京都のもりつけ箸』『竹のスクレーパー』などなど。

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一般家庭での出番は少なそうですが、なるほど、料理屋との違いはこんなところに
あったのだなと知りました。

昔ならば当たり前の道具なのかもしれませんが、現代ではもう廃れつつあります。
プラスチックに慣れて、日本の漆器や竹が、恐くて使えない若い人は本当に多く
なりました。
しかし、こうやって調理法を学びつつであれば私たちも生活に取り入れるきっかけ
が持てます。
店頭で「(漆器は)水に強いから大丈夫」と言われても営業トークとしか思えず、
値段も高価なことから躊躇してしまいます。
実際に使いこなしている人を身近に持つこと、それが大事なのだと思います。


このように、料理教室の先生や料理研究家から火が付いてその存在が知れ渡るように
なったのが『グローバルの包丁』です。
海外のシェフに愛されて逆輸入という形で日本に里帰りをしたのは有名な話ですが、
一般主婦に浸透したのは、カリスマ主婦でありイタリア料理研究家の有元葉子さんに
よってだと私は思っています。
彼女の道具通は有名で、『有元葉子の道具選び』(幻冬舎)を出版されたり、
ネットでは彼女の愛用品やオリジナルデザインを集めた調理器具のネット通販が
人気を博しています。


(写真は、リヨンで開催されたのシラ国際外食産業見本市にて。
2枚目はグローバルの(2代目)社長吉田金属工業の社長 渡辺 英世さんです)


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彼女たちのように『一般女性・主婦』に絶大な支持を得る方々に営業することが
大きな成果になると考えるのは当然の事で、料理教室の生徒さんには、自社製品の
まな板を使ってもらおうと売り込む方もいました。
そのうち、男性の方々も営業とリサーチ兼ねて通い始めたりして!?

私たちの辛口評価にも耐えられる商品、是非お待ちしております。