2008-01-08

『折形』ワークショップに挑戦!

あけましておめでとうございます。
今年は7日が仕事初めのところが多く、長くゆっくり休まれた方も多いと思います。

私のお正月はというと・・・バーゲン巡りでした。最近はバーゲンが早いところでは1月1日から始まることを遅まきながら初めて知りました(お正月といえば福袋の印象しかありませんでした)。「正月休み、特にすることもないし・・・買い物でもするか!」という人で、どこもごった返していました。これは休みが不定期でショッピング好きの女性にも嬉しいですね。今までバーゲンの時期に買い物なんて出来ませんでしたから。

さて、プレミアムな価格帯の商品と、安いセカンド・ラインの商品に、日本の消費は
二極化されつつあると言われ始めました。それはデザインも品質も値段も悪くない物がセールまでごっそり売れ残っていた売り場にも現れていたように思います。バーゲンは2月までの1ヶ月延々と、さらに値下げしながら続きます。こうなるとディスカウント額がプロパーですね。


今年は衆院解散総選挙(?)、米大統領選、北京オリンピックと目白押し。
世界も忙しい1年になりそうです。



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話は年末に戻ります。


sozo_comのブログのために東京ミッドタウンにイルミネーションの写真を撮りに行くついでに『虎屋』に寄りました。高い天井を生かして巨大な暖簾をかける店構えは、日本一有名な和菓子屋の名に恥じない、威風堂々とした姿です。店内では季節の生菓子を眺めるだけでも目の保養になりますが、さらに、スペースの半分を使った日本の生活や食文化にまつわるデザイン展も楽しみの一つです。


たまたまこの日は「折形」と「水引」の企画展『寿ぎのかたち展』が開催されていました。この企画展をプロデュースしたのが「折形デザイン研究所」。ちょうどこの研究所から出版された本を友人から贈られたばかりだったので(*)、何かの縁を感じました。そこへ目に留まったのが「一日限りの折形・水引レッスン」のちらし。(稽古事オタクというものは「入門」「レッスン」なんて書かれたのが目の端にでも入れば即座に反応するのです)さっそく興味を持ちそうな友人2人分と併せて応募しました。


レッスンは1日20名ずつで3日間、隣接する虎屋カフェにて執り行われました。店頭のみの告知で全く宣伝らしいことをしていないようでしたが、定員を超えるほどの人気だったようです。参加費2千円、しかも虎屋のお菓子付き、というのは大変魅力的!参加者の中には、女性に混じって珍しく男性もいらっしゃいましたが、明らかにデザイン関係のご職業と見受けました。何かデザインのヒントを探しにいらっしゃったのでしょうか。


一緒に参加した私の友人はフランスから帰国したばかりのファッション・デザイナーで、実際に彼女はウェディング・ドレスをオーダーされたときに水引のモチーフを用いことがありました。私も折形を建築の設計に生かせないかと研究中です。


*『半紙で折る 折形歳時記』折形デザイン研究所編・著 平凡社



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まずは、企画展示室にて「折形デザイン研究所」の代表でもあり、著名なグラフィック・デザイナーでもある山口氏によるギャラリー・トークから始まりました。陳列されているのは研究所が所蔵している、折形などにまつわる逸品ばかりです。


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江戸時代から伝わる、さまざまな折形の雛形です。
「墨筆」「昆布」「草茶」など読み取れます。
包むもので細かく形が違うのですね。



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折形に関する古典資料『包之記』。起源は平安時代までさかのぼるそうです。


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水引もさまざまな形があります。亀も上手く作ってあって、凝ってますねえ。


その後、カフェに戻り、簡単に折形の基本ルールを学びます。折形には「吉」と「凶」があります。それぞれが「右前」「左前」、「上」「下」に当たり、お慶事や弔事などに使い分けます。

さて実践。使用した和紙は2枚。それぞれを折った後に組み合わせるという技ありな慶事の折形「紙幣包み」を折ります。

もみ紙(昨今この技術を持つ職人も少なくなったと聞きます)と、胡粉(貝殻の粉)を塗った、これまた風雅な和紙です。

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水引で『鮑結び(淡路結び)』を結んで仕上げにかかります。


出来ました!

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何度か手作りの熨斗袋を作ったことがあるのですが、水引を平行に、ずれないように
結ぶのが難しいのです。水引というだけに(?)、水が流れるように自然に締まっていなければおかしいのですが隙間がどうしても出来てしまい、ボンドで固めた苦い思い出があります。コツを教えてもらいながら、四方八方に飛び出そうとする水引をやっと結び切りました。最初に鋏などでしごいて癖をつけると結びやすいと教えていただきました。



水引と格闘したあとは、お茶とお菓子が待ってました♪

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*話は少々脱線。皆様、なぜ、多年草にあるタデ科の細長い草花が『水引草』と呼ばれているか、ご存知ですか?花が赤くて形状が水引に似て細く長いからだけではないのです。根元から手折ってみましょう。上から普通に眺めると赤いのですが、根元から仰ぎ見ると・・・白い。1本の茎で紅白二色に。種明かしすれば、花の表が赤で裏が白いためです。




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思い起こせば小学生の頃から、授業中にこっそり回す手紙や焼き増しした写真の包み紙などを、ただ四角に折るだけではなくて、こうやって複雑に折っていたものです。

いくつかの折り方があり、それが複雑であればあるほど、それを共有することで秘密めいた気になったものです。新しい「折形」を学べば女の子同士で教えあったものでした。

日本ならではのことだったのか、と、いまさら感心します。今の子達も同じようにやっているのかしら?気になりました。